分かりやすい!シャツの起源とその歴史

トップス

数多あるファッションアイテムの中から、今回はシャツの歴史について書こうと思います。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、シャツは最も古いファッションアイテムと言われています。
その歴史を辿ると、古代ローマ時代まで遡ります。
古代ローマ時代に着用されていたチュニックが、シャツの起源と言われているのです。

画像の白い衣服がチュニックです。

結構簡単な作りで、1枚の布を半分に折り、折った箇所に頭を通すための穴を空けます。
こちらの画像では袖があるイラストになっていますが、袖が出来るのは少し先のこと。
袖が誕生する前は、両脇は腕を通す穴を残して脇を縫ったものだったとか。地位で丈の長さが異なり、貴族は丈長で一般は膝丈と決められていたそうです。

犬

似たものを知っている気がするなぁ

猫

ワンピースに似てるわね

このワンピース似たスタイルのまま、暫く時が流れます。

中世ヨーロッパの時代になると、ボタンや襟、袖口といったシャツのパーツが誕生します。
この時代のシャツ、現代とは少し役割が異なります。
当時のシャツは、高価なフロックコートなどの上着を、汗や汚れから守る為の下着として扱われていました。
画像はWikipediaから引用したものですが、襟元以外シャツが殆ど見えませんよね。

この時代の庶民は、まだシャツを着用していなかったのではと思われます。 庶民がフロックコートを着用していたとは考え難いですからね。

猫

フロックコートは、モーニングや燕尾服の原型になった

男性用の礼服のことよ

犬

画像で男性が着用している黒いジャケットがフロックコートか

確かにシャツが殆ど表に出てないね

中世ヨーロッパ~19世紀頃のシャツは、屈んだときや手を挙げた際にシャツの裾がボトムから出ないように、お尻が隠れるくらい裾が長かったらしいです。
前身頃の裾と後身頃の裾にボタンが付いていて、それを留めて、下着として着用されていたとか。

猫

赤ちゃんのロンパースみたいなイメージね

19世紀に入るとボタン使用の普及が後押しするようなかたちで、シャツの簡素化が進みます。

19世紀初頭までは裕福な紳士たちの着用に留まっていたシャツですが、19世紀半ば頃に洗濯技術の向上により、
ようやく上流階級だけでなく広く庶民たちにもシャツが衣服として定着していきます。

19世紀半ば以降~20世紀にかけて現代のシャツの原型が確立されたと言われています。
装飾が簡素化されただけでなく、煙草やペンを入れるためにシャツにポケットが付いたのもこの頃。
ただし、上流階級の紳士たちからは「シャツにポケットを付けるのは邪道だ」という声があったとか。

現代のドレスシャツにポケットが無いのは、もしかしたらこの時代の名残なのかもしれませんね。

こうした“名残”は他にもあります。

例えば、シャツの裾。現代のシャツの裾、形状は大きく2種類に分けることが出来ます。
1つは、裾が直線になっているボックスカット

もう1つは、裾が半円型になっているラウンドカット

このラウンドカットは、シャツが下着として扱われていた時代の名残によるシルエットだと言われています。

20世紀になると、シャツの多様化は著しく進んでいきます。
現代のシャツの原型は20世紀以前に生まれ、ボタンダウンシャツやオックスフォードシャツなどシャツの種類が豊富になったのは20世紀以降。
シャツがファッションや様々なカルチャーと、より密接になっていったことが理由でしょうね。

先程、シャツの裾には大きく2種類あるとお話しましたが、何故2種類あるのでしょう。

犬

考えたこともなかったなぁ

なんでだろう?


ちゃんと理由があります。
着用するシャツの裾の形状で、シャツの裾をボトムスに入れるか入れないか判断することが可能なのです。

ラウンドカットのシャツは、ドレスシャツに代表されるように裾入れすることを前提として形作られています。
一方のボックスカットのシャツは、作業時などアクティブに動く際に裾を気にしなくて済むように、裾出しを前提として形作られています。

こうした背景を知ると、おもしろいですよね。

今回の内容をまとめると、こうなります。

  • シャツの起源は古代ローマ時代のチュニックで、位や地位によって丈の長さが決められていた
  • 中世ヨーロッパの時代ではシャツは下着として扱われていて、ロンパースのような形状をしていた
  • 19世紀にシャツの簡素化が進み、洗濯技術の向上で庶民もシャツを着用し始め、現代のシャツの原型が誕生
  • シャツの種類が豊富になったのは20世紀以降で、昔の名残は今のシャツにも残っている
  • シャツの裾はボックスカットとラウンドカットの大きく2種あり、裾の形状でタックイン/タックアウトを判断できる

ファッションアイテムの中で最も歴史が古く、時代ごとの生活様式に合わせて変化/進化を続けてきたシャツ。
みなさんの手元にあるシャツを、今迄とは異なる視点で見詰めてみると、よりファッションを楽しむ要素が増えるかもしれません。

因みに、WEAR TUNESのワークシャツは、1950年代のワークシャツを参考に製作しました。
ヴィンテージをそのまま再現するのではなく、現代のファッションとしてスタイリングし易いシャツにアップデートして、着心地の良い服として製作しました。
良かったらオンラインショップをご覧ください。

それでは◎

コメント

タイトルとURLをコピーしました